減衰する土星②・土星期➇について
土星が減衰するのは、牡羊座です。牡羊座0度~20度が減衰の度数ということになります。土星は約二年半かけて一つの星座を移動しますので、減衰する土星をネイタルチャートにお持ちの人はその世代ということで、自分が生まれた前後数年は土星減衰世代ということになります。
直近では、1998年4月17日から2000年6月2日の間に生まれた人、25歳から27歳あたりの方ですね。この世代は、ちょうど現役で大学を卒業するタイミングである2020年から2022年がコロナ禍にあたりますので、留学や就職で苦労されたという話をちらほら伺うことがあります。
ちょうど先日、この世代の娘さんをお持ちのお母さんと話す機会がありましたので、感じたことを書いてみたいと思います。※掲載許可をいただきました。
娘さんは語学が得意で、国際的なお仕事がしたいということで国際系の大学に入学されて、特待生での交換留学が決まっていたのですが、コロナでそれがオンラインになり、現地での留学が叶わないことになってしまわれました。
大学を卒業されて、その後はヨーロッパのある国で学びながらお仕事をするというプログラムに参加され、今はヨーロッパのまた別の国で大学院に行ってられます。
紆余曲折のようですが、留学資金のためにしたアルバイト先で様々な境遇の方に出逢い、色んな立場の人がいて、それぞれが自分の今の状況で頑張っているんだなってことを感じることが出来たようで、回り道したようだけど、そういった経験、出逢いはよかったって言ってられるようです。
たとえば、テーマパークでアルバイトしていた時に一緒に働いていた人たちから、英語が話せるからと頼られていらしたり、家庭教師のアルバイトの時には、父子家庭のお子さんとの関わりから、家庭環境から思う存分に学ぶことが出来ない場合があるということ、何かのきっかけで学校に行けなくて家で過ごしているお子さんの存在、など。
同じ世代に生まれても、様々な境遇の人がいて、それぞれの場で生きているということを目の当たりにするという体験が出来て、自身の考え方の幅が広がったり、優しい気持ちになれたりといった変化があったっていう話を伺って、しみじみと回り道もいいなって感じました。
自分の周りにいる人は自分と同じレベルの人、という話がありますが、特に学生時代~若年期は、ほぼそんな感じなのかもしれません。親の経済状況だったり、社会的立場だったりで子どもの環境はだいたい決まってしまいます。
その環境から少し外れることで見えてくる景色があり、関わる人から得られるものがあり、体験することで人生の幅は広がるのだと思います。
減衰惑星がキャンセルされるのはニーチャ・バンガといいますが、減衰する惑星を持っていても何かしらの条件を満たすことでキャンセルされ、逆にラージャ・ヨーガ的に働きます。
このようなケース、いったん理想通りにいかなくて落胆するという経験をし、そこから努力して這い上がっていくというのはまさにニーチャ・バンガの典型ですね。ニーチャ・バンガは減衰する惑星のダシャーで、機能するのですが、娘さんは現在ラグナロードの土星期なのですね。
ラージャ・ヨーガというのは、地位・名誉をもたらすというヨガです。土星期後半に向けて、努力が実を結ぶということです。どんな風に実を結ぶことになるのか、楽しみです!
